入試分析

データからみる大阪大学、神戸大学の入試2020

阪大・神大「合格者」と「受験者」の差

現役高校生にとって、現役合格に向けての大きな壁となるのが共通テストです。その共通テスト(2020 年実施分)の全国平均は、

共通テスト(2020年度実施分)の全国平均
となっています。
※理科基礎は(物理・化学・生物の3教科をまとめたもの)

では、その共通テストにおいて、大阪大学(以下、阪大)・神戸大学(以下、神大)合格者は、どれだけ得点しているのでしょうか?【以下、医学部医学科・歯学部 は除く】研伸館から前期試験で阪大、神大に「合格」した先輩方(2020年度)の平均点は次のようになりました。

研伸館から前期試験で阪大、神大に「合格」した先輩方(2020年度)の平均点

いかがでしょうか?驚くくらい高いですよね。全体としては、以下のようになります。

全国平均=約60%,阪大合格者平均=約83%,神大合格者平均=約79%

共通テストの得点率で見ると、阪大・神大に大きな差がないというのも興味深いことです。この傾向は年度に関わらず顕著に見受けられます。

では、ここでもう1つのデータをお見せします。

研伸館から阪大、神大を前期試験で「受験」した先輩方(2020年度)の平均点

これは研伸館から阪大、神大を前期試験で「受験」した先輩方(2020年度)の平均点です。

阪大受験者平均=約79%,神大受験者平均=約76%

この数字を見て何を感じるでしょうか?こちらもやはり高いですよね。つまり、阪大・神大を受験するだけでかなり高いハードルと言えるのです。そして、現役合格者はそれ よりもさらに共通テストで高得点を取っているというのがデータからみえる事実です。

得点率で見ると「合格者」と「受験者」の差は約3%~4%程度。阪大・神大受験はこの差が合否を分ける戦いなのです。

阪大・神大入試の考え方の違い

阪大入試の考え方

少し細かく説明すると、阪大と神大では入試の考え方が少し違います。
阪大では、共通テストよりも二次試験の方が配点が高く、それは特に理系で顕著です。
共通テストと二次試験の比率は例えば、

などとなります(最新情報は別途確認のこと)。

よって、阪大の場合、二次試験で他者よりも1問多く解ける人は共通テストで失敗しても逆転は可能、と言えます。もちろん、阪大の二次試験はかなり難しいですから、優秀な受験生の中で抜きんでることは至難の業です(それだけの力がある人物が共通テストで失敗することも少ないですし・・・)。

また逆に言うと、共通テストで高得点でも、逆転される可能性があるのが阪大なのです。

ですから阪大の対策の一般論としては、二次試験対応力をしっかり身に付け、それを共通テストに落とし込む感覚で勉強することになります(共通テストでのみ課される科目は除きます)。

理系では国語と社会、文系では理科(社会)が、共通テストのみの科目になりますから、これらの対策は、合否の分かれ目になるものと思ってください。

ちなみに阪大合格者・受験者の共通テストの各教科の平均得点差を見てみると、

阪大合格者・受験者の共通テストの各教科の平均得点差

この平均は文系・理系を合わせたものですので、得意科目はこれより高い水準、苦手科目は出来るだけ足を引っ張らないように、という感覚で捉えてください。
一人ひとりの得点をみると、上記の平均の通りではなく、それぞれの戦略で高い総合得点率を実現しています。

神大入試の考え方

一方、神大はどうでしょうか。

阪大と比較すると、合格者平均と受験者平均の差がやや大きくなります。
ここから共通テストの結果が合否に大きな影響を与えている、ということが言えます。その様子は、共通テストと二次試験の比からも分かります。例えば、

などとなります(最新情報、別途確認のこと)。

阪大と比べると、神大はかなり共通テストを重視しています。
詳細は述べられませんが、「共通テストがある得点以上ならほぼ100%が合格だか、その点を切ると合格率は50%未満になる」という明確なボーダーラインが存在するのが神大の入試です。二次試験の問題が阪大ほどは難しくなく、共通テストの延長として二次試験の出題がされていることも、その辺りから説明がつくと思います(共通テスト対応力≒二次試験対応力)。

共通テストでしっかり高得点を取れる力と二次試験範囲の知識がしっかりしていれば、神大の問題の多くは解くことができます(記述答案を作成する練習は必要となりますが)。

以上から、神大の対策の一般論としては、落としてはならない問題が全て解けるようになることを前提として、共通テスト・二次試験で求められる常識的な発想力、問題解決力を身に付けることで、共通テスト・二次試験の対策を同時並行で実行していくとなります。