阪大日本史

設問の要求を見極めた「構成力」で勝負する!

傾向

出題形式

大阪大学文学部の日本史は、大問4題出題されますが、すべて200字程度の論述問題です(試験時間は90分)。

出題時代・分野

大阪大学の日本史は、基本的に「原始・古代史」「中世史」「近世史」「近現代史」から1題ずつ出題されます。過去10年間の入試問題をみてみましょう。

大阪大学文学部 過去10年間の入試問題

分野別でも政治史(14題)・外交史(8題)・社会経済史(8題)・文化史(10題)が分け隔たりなく出題されています。まずは、「苦手な時代・分野」をなくしましょう。

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最新の入試について(2019年の入試問題と講評)

(Ⅰ)
問題 平安時代になると、日本古代国家の地方支配は、受領に大きく委ねられるようになる。10世紀において受領はどのように地方支配をおこなったのか、その後、受領の地方支配はいかなる変化の過程をたどったのか、具体的に述べなさい(200字程度)。
講評 10世紀の律令国家から王朝国家への変化を述べる荘園史におけるオーソドックスなパターンです、土地制度に関する知識が必要な問題でした。
(Ⅱ)
問題 足利尊氏が発表した建武式目は、いかなる政治状況のもとで定められ、北条泰時が制定した御成敗式目とどのように性格が異なるのか、また、室町幕府は御成敗式目をどのようにあつかったのか、具体的に述べなさい(200字程度)。
講評 御成敗式目と建武式目の比較問題である。建武式目が南北朝時代に制定された施政方針であることを明確に述べましょう。
(Ⅲ)
問題 慶安4(1651)年、幕府は末期養子の禁を緩めた。末期養子の禁の内容と、この緩和措置がなされた政治的・社会的背景について、具体的に述べなさい(200字程度)
講評 末期養子の禁の内容は容易であるが、緩和措置の政治的・社会的背景として、浪人(牢人)の増加と慶安の変について述べることができるかがポイントです。
(Ⅳ)
問題 第一次世界大戦後に、新たな国際平和維持機構として国際連盟が成立した。日本は国際連盟とどのように関わったのか、具体的に述べなさい(200字程度)。
講評 国際連盟と日本の関係について論述する基本的問題である。日本が国際連盟を脱退するにいたる過程まで、しっかり論述できるかがポイントである。

出題内容の確認

論述に重要なことは「出題者の意図にそった論述」をすることです。そのためには、「設問パターン」を把握することから始めましょう。

設問パターン

1.
内容・事項説明 事件の内容や人物について説明する基本的な問題である。大阪大学は、一つの事象を多角的に分析し、説明させるパターンが多い。
<例>2018年
(Ⅱ)室町時代の臨済宗は,幕府の保護を受けて繁栄した。政治的・文化的側面における臨済僧の活動について,具体的に述べなさい(200字程度)。
2.
経過・展開・過程 テーマの流れにそって、事象の経過・展開や変化の過程を論じる。
<例>2018年
(Ⅰ)日本古代には都の場所がたびたび変わった。7世紀半ばから8世紀半ばにおける都の変遷について,政治・社会情勢と関連させつつ述べなさい(200字程度)。
3.
背景・理由 ある特定の事象について、発生以前の段階を問うもので、歴史の流れだけではなく、歴史分析能力も必要である。
<例>2017年
(Ⅲ)天正15(1587)年,豊臣秀吉はバテレン(宣教師)追放令を出した。秀吉がこの追放令を発した理由と,この追放令の効果について,具体的に述べなさい(200字程度)。
4.
結果・影響 ある特定の事象についての後段階を問うものである。結果をふまえた歴史分析が必要な影響を問う論述は要注意である。
<例>2005年
(Ⅱ)南北朝の内乱が日本の中世に与えた影響について具体的に説明しなさい(200字程度)。
5.
比較・特徴・意義 同テーマを時代別に比較し相違点を論述させる。比較できる事象を思いつくことが先決である。
<例>2007年
(Ⅰ)日本の神およびその信仰と,仏教とは,古代・中世においてどのような関係にあったか,その特徴について述べなさい(200字程度)。
6.
総合・融合 「変化の過程と具体的説明」、「変化と比較」などの融合問題である。
<例>2017年
(Ⅰ)更新世(洪積世)から完新世(沖積世)への移行にともなって自然環境が変化し,日本列島では豊かな縄文文化が育まれた。自然環境の変化と関連づけながら,縄文時代における採集・狩猟・漁労のあり方について,具体的に述べなさい(200字程度)。

大阪大学は「経過・展開・過程」パターンが非常に多く出題されています。つまり「歴史の展開」をしっかり把握し、「歴史の変化」を意識してとらえる学習が必要になります。また、近年は6の総合・融合問題が多くなっています。そのため、単なるパターンの分類で終わらせないようにしましょう。

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出題に関する注意点

ここで注意しなくてはならないことは、実際に論述を書いてみることです。大阪大学の論述は、実際に論述を書いてみることで見えてくる論点があります。

<例>2006年
(Ⅰ)奈良時代は,中央政界において激しい権力闘争が行われた時代でもある。七四九(天平感宝元年)に聖武天皇が譲位してから奈良時代末までの,権力者の変遷と政策基調の変化について述べなさい(二〇〇字程度)。

上記の問題は、「設問の要求」から「変化・変遷」パターンであるとわかります。まず、実際に権力者の変遷を書いてみましょう。

<聖武天皇の譲位(749年)以降の権力者の変遷>
①橘諸兄
②藤原仲麻呂(恵美押勝)
③道鏡
④藤原百川

上記の表に政策基調を記述してみましょう。

<聖武天皇の譲位(749年)以降の権力者の変遷と政策基調>
①橘諸兄………………………仏教政策 (例)大仏造立の詔
②藤原仲麻呂( 恵美押勝) …律令政策 (例)養老律令の施行、太政大臣就任
③道鏡…………………………仏教政策 (例)西大寺建立
④藤原百川……………………律令政策 (例)内大臣設置

上記の表をみればわかるように、①橘諸兄と③道鏡は仏教政策が、②藤原仲麻呂と④藤原百川は律令政策を政策基調としています。このため、この問題は「比較問題」の要素を含んでいることがわかります。

他にも、

<例>2005年
天草・島原の乱(島原の乱、島原・天草一揆)の歴史的意義について述べなさい(二〇〇字程度)。
<例>2004年
平将門の乱と藤原純友の乱(承平・天慶の乱)の歴史的意義について述べなさい(一五〇字程度)。

上記のような問題も、実際に書いてみてください。「天草・島原の乱」で200字程度を論じることができますか?「承平・天慶の乱」について150字程度を論じることができますか?また、それぞれの「歴史意義」とは何でしょうか?

大阪大学の入試は奥深く、実際に書かないと気付かないことが多々あります。そして、歴史を分析した学習を普段から行っていないと、入試本番で何も書けないことにもなりかねません。普段から「原因・結果」をふまえた日本史の学習をすると同時に、「事象が歴史に与えた影響」「事象の歴史的意義」を考えるよう心がけましょう。

では、実際に論述問題に、どう取り組むかについて考えていきます。

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