阪大世界史

世界地図や地理は頭に入っているか?世界を広い視点で眺める力を養おう!

傾向

出題形式

大阪大学の二次試験において世界史を受験をするのは、文学部と外国語学部で世界史を選択した人だけです(文学部と外国語学部は2017・2018年は一部異なる問題、2019年はすべて共通)。記号の問題や用語の記述問題は少なく、大半が論述問題です(数十字の短いものも含む)。

1問の指定文字数はもっとも長いもので300字、短いものでは40字、多くは100~200字に集中しています。字数の合計は700~900字ですが、年度によって異なります。また、他大学のように「○○字以内」ではなく、阪大では「○○字程度」という条件となっています。

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出題内容

過去の問題から見る分析

何十年も続く東大や京大に比べて、阪大の論述出題の歴史は20数年で、大問数・小問数や合計字数も毎年違い、京大のように300字論述が二つ、記述の大問が二つ、といった定番形式がありません。


地域別での分析

 一見するとアジアの比重が多く見えますが、ヨーロッパとの繋がりでアジアが出題されることも多く、実際はまんべんなく各地域から出題されていることがわかります。

これに加えて複数の地域にまたがる問題が、30%以上を占めています。後述しますが、阪大は、ネットワークや世界の繋がりを意識した問題がしばしば見られます。難しいと感じるかも知れませんが、逆にそれをしっかり意識して学習すれば、他の受験生に大きく差をつけることができると言えるわけです。


世紀・時代別で分析

こちらも過去10年の論述問題から分析をすると、紀元前から20世紀までまんべんなく出題されています。また一つの世紀だけではなく、複数の世紀にまたがる問題がおよそ半分を占めています。

ただ、2008年以降は紀元前の問題が少なくなり(全くないわけではありません)、7世紀以降の問題が増えました。特に多いのが16・17世紀以降の問題です。16世紀といえば大航海時代・絶対王政の時代で世界が繋がり、いわゆる「近代世界システム」がつくられ始める頃です。


分析から見るよく出るテーマ
・「世界の繋がり」「ネットワーク」を意識した問題が特徴!

複数地域にまたがる問題が30%以上あり、また16世紀以降の時代からの出題が増えていると述べました。阪大では「近代世界システム」など、世界の繋がりやネットワークに関する研究がこれまで多くなされ、実際に入試にもその影響をうけていると思われるものも多くみられます。そのため世界全体を一体として見る問題、貿易ルート・貿易の重要地域に関する問題、中国と中東などをつなぐユーラシアの遊牧民の問題、ヒト・モノの移動の問題などに関連する問題が多くみられます。例をあげてみましょう。

大航海時代以降、スペインやポルトガルが新大陸を支配し、インディオを使役して農業や鉱山開発を行います。しかし、酷使や疫病により、先住民であるインディオの数が激減します。するとアフリカ西岸から黒人を奴隷として新大陸に送ることになります。アフリカから新大陸に黒人、新大陸から西欧に銀やその他プランテーションで作られたもの、そして西欧からアフリカに武器などが送られ、三角貿易が成立します。この問題では三角貿易が環大西洋の各地域にもたらした影響について述べるのですが、西欧、新大陸だけでなく、アフリカがどうなったかについても触れなくてはなりません。

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・経済に関する出題に注意!

貿易などで世界が繋がる内容が出るということは、経済に関連する問題が多くなります。貿易で扱われている品目、伝わった影響、農業生産、産業革命、税制なども注目しておきたいところです。

2013年に実際に受験した卒業生に聞いてみると、グラフを読み取ってAが中国と判断できなかった人がかなり多くいました(判断できなければ、実は他の問題も間違えてしまいます)。 「清王朝の18世紀」、ということは康煕帝の途中から雍正帝・乾隆帝と続く、清王朝の黄金期です。まずはその時代がわからなければなりません。

問われていることは、「政治・社会・経済的動態について」なので、まずは政治について述べるなら、皇帝専制支配で安定している事は必要ですね。藩部として統治する地域も拡大しています。社会や経済については、何を書けば良いのか困った人も多いと思いますが、18世紀の前半は海禁が緩和されている時期で、多くの西洋人が中国を訪れています。その際に新大陸産の作物が中国に伝わり、人口の増加を支えてい きます。ここでもネットワークや経済に関する知識が必要です。山川出版社の検定教科書「世界史B」の文中にはこうあります。

「18世紀には政治の安定のもと、中国の人口は急増した。アメリカ大陸から伝来したトウモロコシやサツマイモなど、山地でも栽培可能な新作物は、山地の開墾をうながして、人口増を支えた。」。大航海時代以降、西洋との繋がりができると、中国にもこうした影響が出てきます。何が伝わっているのか、しっかり確認をしておきたいところです。

・文字などの文化の伝播、そしてその背景が狙われている。

文化の伝播も世界の繋がりにおいて欠かせない出来事です。特に文字・言語に関する問題は、2010年、2011年、2015年など頻出です。また2012年は用語の設問で、元で作成された暦について出題されています。イスラームの影響を受けて成立した「授時暦」、という判断がすぐにつくでしょうか。2016年も17~18世紀のヨーロッパの学問の動向についての出題がありました。早めの時期に最低限の文化的事象とその背景は確認しておきたいところです。

いずれの問いも、単に「この時代にこんな文字が使われた」、というだけではなく、その文字が使用されるようになった歴史的経緯や背景まで理解しておかなくてはなりません。用語の暗記だけでは対応できない事はこの問題を見ても明らかですね。

問1を例に挙げましょう。ムスタファ=ケマルという人物からトルコ(オスマン帝国)で革命を起こした人、近代化政策の一環でローマ字を取り入れ文字改革をした人、とすぐに分かると思いますが、文字改革以前の文字も問われています。イスラームの国家なのでアラビア文字という判断がつきます。さらに歴史的経緯を問われているので、中央アジアにいたトルコ人がイスラームを受け入れたところから述べる必要があるという、かなり長い時間を視野に入れるべき問題であることが分かります。

最新の入試について

では、2019年入試問題の一部を見てみましょう。

阪大の問題は、世界の繋がりや経済などを意識して世界史を理解をしないと解けない問題が多く存在します。今後の学習で意識しておきたいところです。

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